10年後。


ドアの外で思ったんだ あと10年たったら
なんでもできそうな気がするって
でもやっぱりそんなのウソさ
やっぱり何にも出来ないよ
僕はいつまでも何も出来ないのだろう


Fishmans/IN THE FLIGHT


先日、専門学校に行く友人と花見の帰りにちょこっと話した。
彼は来年には卒業し就職をしなければいけないらしい。
10年間くらい修行をした後、自分のお店を出したいと言っていた。
僕は素直に頑張ってほしいと思う。




深夜に、遠く未来のことを考えると本当に怖くなって嫌になる。
明日明後日くらいならそれは「未来」じゃなくて「予定」なんだけれど
それが一か月後くらいから怪しくなり始めて、一年先になると完全に「未来」になってしまう。
未来なんてわかんないし、考えるだけ無駄だよ。なんて言われればそれまでなんだけれど
未来はいつかやってくるわけで。いつか絶対に考えなければいけない。
面白いのは、中1くらいの時に考えていた「10年後」と、今僕が考える「10年後」というのは
まあ当たり前なんだけれど全然違う。
例えば、理系か文系かという選択肢ひとつにしたって、
今の僕はそれを既に選んだ状態で見える範囲での10年後しか想像できない。
中1の頃、僕は確かに何でもできそうな気がしていた。だからこそぼんやりと過ごしてきてしまった。
気がついたら選択肢は減ってその中で何でもできそうな気がするだけになっていた。
こんなこと書くと「昔は良かったのに今は・・・」という文章に思われてしまいそうなんだけれど、僕は今は割と好きです。
本当に怖いのは、僕が本気で10年後には何か変わっているんじゃないかって思ってしまうから
この曲の歌詞が現実味を帯びてくるということ。声にも曲にも悪意を感じない分、オモくなる。



そう言えば、僕と同い年くらいのバンドが「なんとかオンジャンパン」でおなじみの雑誌に載っていたり
有名な音楽番組のエンディングに使われていたりしていて、少しだけ吃驚した。
あるバンドは滅茶苦茶カッコ良くて、あるバンドは「なんとかオブかんとか」の劣化コピーみたいだった。
その違いについても考えてみたいんだけれど、
結局、良かれ悪かれ僕らはバンプオブチキンの影響を受けている世代なんだろーなーってとこに落ち着きそうなので止めておく。


今の積み重ねで未来ができるんだという考えと、漠然と未来はあるんだという考えが頭の中にあって対立している。
とても怖いんだけれど、結局その時になったら怖さなんて忘れていて、その時の「未来」に怖がっているんだろう。
だから「僕はいつまでたっても何も出来ないんだろう」なんでしょ?