初音ミクとキャラクターとコミュニティ。

http://anond.hatelabo.jp/20090331142111

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/30(月) 14:24:36 id:rPNli/5OO
例えば俺の話だが
ミク関係ない曲をせっそと作ってた時期は付いた感想が
「つまんね」「糞J-POP乙」だったわけだが
ミクを使った途端に
「いいね」「神曲
となった時には本当に世の中音楽で聞いてる人間いるのかな?
と疑問に思いましたよ。
たぶんここの住人も俺のミク曲聞いた事ある人あるかもねね。
まさに疑心暗鬼ですね。音楽ってどうでもいいんじゃね?と。


以前、記事にも書いたように*1「キャラクターとしてつくられていく初音ミク」というのは、それはそれで面白いと思うんだけれども
初音ミクの楽曲自体に面白さや魅力を感じることは、個人的にはあまり無くて(初音ミクの曲をあまり聴いていないってのもあるんだけれど)
もし初音ミクの有名な曲がボーカルがエイベックスの女性歌手やアイドルグループで、有名な作曲家が作ったものだったら
僕は好んで聴きたいとは思わないかなあ。
ニコニコ動画を中心とした初音ミク(ボーかロイド)文化の面白さは



・市販の楽曲のようなクオリティーの高い楽曲を、プロでは無い人が作るという点
初音ミクというキャラクター的要素を多数の人が作り上げていくという点


だと僕は勝手に思っている。
後者については、舞踊家yumikoさんもインタビューで同じようなことを言っている。

初音ミクの人格(定義)形成経緯とその存在はとにかく特殊で何一つオフィシャルなものがないんですよ。
あるのは、たった一枚のイメージだけ。
音声ソフトの箱のやつね、それと名前と、身長と、体重と・・・本当にそれしか情報がないんですよね。
まあ、ちっちゃいロボットなんですけど彼女。今日”人権”を獲得してるんですよねw
もちろん人々の心の中での話ですけど、でもそれって人権の基本でしょ?

個人的に面白いと思うのは、エイベックスの新人アーティストGIRL NEXT DOOR初音ミクをはじめとするボーカロイドとの関係だ。
GIRL NEXT DOORは08年にエイベックスから「大型新人」としてデビューし、ニコニコ動画ともリンクしたイベントをしたアーティストだが
いかにも!な曲調や強引とも思えるプロモーション、不自然な売上などの理由から、動画には批判的なコメント・タグが付くことが多い。
しかし一方で、GIRL NEXT DOORの楽曲をボーカロイドに「歌わせてみた」という動画には批判はあまりされず、むしろ「こっちの方がいい」や
初音ミク(または鏡音リン)かわいいー」といった肯定的なコメントがよく目につく。
勿論、再生数・コメント数に差があるし、一概に「初音ミクを使うと肯定的なコメントが増える」とは言えないが、この差に僕は違和感を覚えた。


そう言えば、少し前に問題になった機材Pの発言*2の中に、少し引っかかるものがあった。
ブログが消えてしまったので、詳細は曖昧だが「結局、音楽よりもそのコミュニティに参加したいだけでしょ?」というような内容の発言だ。
ニコニコ動画というサイトの特徴上、そこにある種のコミュニティができるというのは不可避なことで、
それによって前述の「キャラクター的要素が多数によって形成されていく」ということが起きると思うんだけれど
その一方で盲信的というか、GIRL NEXT DOORとの関係のように「初音ミクならばいい」という傾向が表れているとも言える。


そういったキャラクター文化や作品に対するコミュニティなんかは、別に真新しいものでは無いし
現実の音楽業界にも存在するものだと思うんだけれど、ニコニコ動画の多くは「ただの一般人」が曲を作り発表しているから
なんだが新鮮に感じた。